妊娠糖尿病について

妊娠糖尿病について

当院では開院以来、多くの妊娠糖尿病患者さんの治療を行ってきました。
食事指導を含む生活習慣指導により、ほとんどの患者さんがインスリン治療を行わずに、妊娠中や産後の合併症もなく良好な経過をたどっています。
患者さんの病態やライフスタイルに合った方法で指導を行っておりますので、お忙しい方やご不安な方も心配なさらずにご来院ください。

妊娠糖尿病とは

妊娠中に初めて診断された糖尿病のことを妊娠糖尿病と言います。妊娠後期になると胎盤から血糖値を上げるホルモンが多く出るため、血糖値が上がりやすい状態となります。お母さんの血糖コントロールが悪いと、お母さんだけでなく赤ちゃんにさまざまな合併症が起こりやすくなります。
お母さんに起こる合併症としては、赤ちゃんの体重増加(巨大児)、流産、早産、妊娠高血圧症、羊水過多など、赤ちゃんに起こる合併症では、新生児低血糖、多血症、新生児呼吸促迫症候群などが挙げられます。特に巨大児などの合併症は帝王切開になる確率が上がります。

妊娠糖尿病の治療目標は、「妊娠中と産後のお母さんと赤ちゃんの合併症を予防すること」ならびに「お母さんの将来の糖尿病発症を予防すること」である

お母さんの血糖値を正常範囲内にコントロールすると、妊娠中や産後のお母さんと赤ちゃんの合併症が予防できるとともに、お母さんの将来の糖尿病発症を予防することができます。また、妊娠中に習得した食事療法は、産後の健康的な食生活にも役立ちます。

診察の流れ

1. 初診日

医師と看護師による食事指導と自己血糖測定の方法の説明などを行います。また、採血を行い、妊娠糖尿病に関連した項目について検査をします。

2. 約1週間後

自己血糖測定の結果を確認し、治療方針を患者さんと共に考えます。必要に応じて食事を分けて食べる分割食の方法も説明しています。その後は、出産まで1カ月毎に診察を行い、食事療法や血糖コントロールの状況を確認します。

3. 産後

産後2~3カ月後にご来院していただいて75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)を行い、糖尿病に移行していないか確認します。